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蜘蛛女 タランテッラ絵画 タランテッラ写真

タランテッラの起原は16世紀、南イタリアのプーリア州発祥。

語源とされるのは、毒蜘蛛タランチュラ。

このタランチュラに咬まれた者が、毒消しをするために激しく踊ったという踊りが、現在も民族舞踊“ タランテッラ ”として受け継がれている。

実際、タランチュラの毒による症状、喉の渇き、頭痛、心痛、発作、気絶などは、他の病気にも通じる。日射病、狂犬病、破傷風、マラリア、精神病、その他様々な病の共通の治療法が、タランテッラであったとか。。

日の出から、狂ったように激しく踊るタランテッラ。実際どのように病を治療したかというと、、

患者は、反復する6/8拍子の急速なリズムで踊りつづけ、トランス状態、催眠状態に陥り、やがて疲れ果て倒れ眠る。そしてまた踊る・・。この繰り返しを3∼4日行った。半ば宗教的な方法と思えるが、当時は合理的な“音楽療法”だと考えられていた。

使われた楽器はタンバリン、笛、バイオリン、ハープ、チター、小太鼓など。集められた音楽隊が気をつけなければならないのは「正しい音程(tune)」と、患者に適した

「音律(temperament)」で演奏することであった。

音やリズムがずれると、効果がないどころか、症状が悪化したという。おそらく同じリズムでトランスさせることが最重要、ということだろう。

当時一世を風靡した“タランティズム”。

演奏家は仕事を求め、作物の収穫期には、畑で楽器をならしながらタランチュラに咬まれた人を捜した、という笑い話もある。

 そしてタランティズムは次第に祭りへと変化してゆく。女性達は、“叫びわめく”ために、意図的に、タランチュラに咬まれたふりをし、「カーネヴァレット・デレ・ドーネ」(女性達の小さなカーニバル)とも呼ばれた。

 タランテッラは現在も、結婚式など、祝いの場で演奏される。

何百年も人々を踊らせつづけてきた、不思議な魅力を持つ音楽である。

蜘蛛の巣

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